無性別そらおの恋愛本。

どうしてうまくいかないの?こうしてみたらいいんじゃない?

自分が無性別だと気づくまで④

無性別そらおの恋愛本。へようこそ!

改めまして自認性別『無性別』のアラサー会社員そらおです。

 

私が無性別に気付くまでのお話を書いています。

最初から読みたい場合は以下URLをクリックすると①に飛べます。

自分が無性別だと気づくまで① - 無性別そらおの恋愛本。

 

部活に明け暮れた中学生活を卒業する日、私には楽しみにしていることがありました。そう、ピアスの解禁です。理由は特になかったのですが、開けたらなにか変わる気がしました。実際のところ、ただただジンジンした痛みが続き卒業式の内容もあまり覚えていませんが…。

 

中学卒業のファーストピアスから20歳にかけ、最終的に両耳と顔面がピアスだらけになるのですが、今回は置いておいて恋愛の話を進めます。私に初めての彼女ができたのは高校1年生の時でした。Kちゃんから勧められたビアンチャットから、私は同性愛者の出会い掲示板を利用するまで進化していました。タチやネコなど属性の名称は知っていましたが、自分がどっちという認識はもちろんわからず、ただ女の子と恋愛目線で仲良くしてみたいなという漠然な思いがありました。

 

初めての彼女は実家から電車で2時間ほど離れた場所に住む、1歳年上のHさんでした。住んでる場所も年齢も近く、Hさんもいままで同性愛を経験したことがないという共通点が重なり休みの日に会うことになりました。

 

最寄り駅から揺られること2時間、駅構内で待ち合わせをして近くのカラオケに行きました。女の子同士でカラオケ、普通の友達と遊ぶ内容は変わりませんが「この子は私のことを恋愛対象として見てくれている」という土台があるおかげで妙な緊張感がありました。

 

「私達付き合ってみない?」

 

カラオケの途中でHさんから突然の告白。恋愛経験もゼロに等しい私は恋愛感情としての好きがわからないまま「いいよ」と答えていました。きっとお互い好奇心だったと思います。こうして私に初めての彼女ができました。

 

「彼女ができた」という肩書の誕生にひたすら照れていた私は、ふと冷静になりました。女の子と付き合う…いや、恋人ができるって何かが変わるのか…?数時間前に友達として会った人がいま彼女として隣に座っている。彼女として接し方を変えなければいけないのか…?恋愛初心者の私はただひたすら頭の中を疑問符で埋め尽くし、彼女という存在にニヤニヤすることしか出来ませんでした。

 

「手繋ぐ?」「ちゅーしよっか」「ぎゅってして?」

 

Hさんに言われるがまま怒涛の勢いでファースト〇〇を卒業しました。ふざけて友達とハグをするより、手を繋ぐより、比べ物にならないくらい緊張しましたが嫌な気持ちにはなりませんでした。それから暫くHさんと私は月に1回お互いの地元を行き来してデートをしました。勿論、キス以上のスキンシップは知識がないためありませんでした。会わない期間はメールで連絡をとり半年ほど経ったある日、Hさんから突然の別れを告げられました。

 

「ごめん、彼氏できたからもう会うのやめるね」

 

そらお初めての彼女と別れる。(理由:彼氏ができた)

 

連絡をもらった当日は「彼女がいるのに彼氏作るってどういうこと?」「別れようとかもなく会うのやめるねってなに?」とそれなりに凹みましたが、16歳の感情は修復がとても早く次はどんな子と付き合おう?と前向きな悩みが翌日には生まれていました。

 

初めて彼女が出来てからも女の子として扱われたい日、男の子として扱われたい日は当たり前にやってきました。彼女と会う日は不思議と毎回男の子として扱われたい日でした。そして1つ分かったことがありました。女の子から恋愛対象として見られる時、私は男として見て欲しいんだということ。言葉にすると難しいのですが、恋愛対象の女の子が近くにいると心の中から男の子の自分が顔を出す感覚になるのです。相手の目には女の子の私しか映っていないのですが、気持ちは男の子。化粧もしたくないし服装も男の子に見えるような格好を意識していました。

 

逆に男の子の前では女の子が顔を出すのか?と言われるとそう言うわけでもなく、同性として対等に扱って欲しい日もあれば女の子モードな日もありました。私が通っていた高校は制服の規則が緩く、男の子モードの日はジャージ、女の子モードの日は制服で通っていました。周りは化粧も服装も髪型も日によってコロコロ変わる私を特に気にしてはいなかったように思います。(元々顔面にピアスも開いていたので、変わり者として扱われてたと思います)

 

そして、ある日目が覚めると私は男の子でした。自分の胸の膨らみを見て吐き気がしました。こんなものが付いていたら外を歩けないと泣きました。

 

次回:胸の膨らみが許せない